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Book Guide for Rusties 1998/01

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A: 殿堂入り 5: 読め, 4: まあ面白い, 3: お好きに, 2: つまらん, 1: 金の無駄

1月

多忙につき詳細更新停滞中
「嗤う」
「マンガはなぜ面白いのか」
「『タイム』誌が見た新しい日本」
「ブッダヘッド(1)」
「この本は怪しい!!!」
「電脳への提言」
「ホスピス24時」
「宇宙飛行士が答えた500の質問」
「幸せのひこうき雲」
安達哲のだがあんまり面白くなかった。いじめられて田舎に引越してきた 小学生に、田舎で浮きまくる都市的な美人女教師がいたずらしてしまう話。 こう書くとエロ本だ。

「ぼくの小鳥ちゃん」
すごいタイトルなので買うのにしっぽに力が要った。小鳥ちゃんキュートで わがままでなんだかよろしい。絵もよろしい(恥ずかしい)。 これだけ、病んだ三十男に似合わない本もあるまい。

「三浦和義事件」
表紙が恐い(横尾忠則装丁)。 三浦和義といえば、 映画「コミック雑誌なんかいらない」で内田裕也に水浴びせてたのが懐かしい。 未曾有の騒ぎになっていたことはよく覚えているが、毎日ワイドショーを 見られるわけではないし、週刊誌を買うとい年でもなかったので、 いったい事件が何だったのかよくわからなかった。 ずいぶん面白いキャラクターだったということぐらいしか覚えていないのだ。 が当人にしてみては、日本中がわけもわからず自分に注目しているという 「おれに関する噂」状態であったわけで、有罪無罪を別にしても 恐ろしい話である。内容は、 当時のマスコミの情報を時系列にまとめ直した前半だけでも、 ずいぶん面白い。
で、後半は三浦和義側からの視点で同じ経緯を語ったもの。十年くらい前、 なにかの拍子で三浦和義の自費出版の本を買ったことがある。 支援する弁護士か何かの事務所からの直販だった。ずいぶん念入りに 共犯と言われる女性の供述に反論している本だったが、途中で飽きてきたのを 覚えている。この本は逐一反論ではないので、まだわかりやすい。アニマルズの ライブを見るために少年鑑別所を脱走するところなんか、ドキドキする。
前半を読めばどう考えても有罪だし、後半を読めばどう考えても無罪だ。 推理作家島田荘司がどう判断するかは書かない。自分もいよいよわからない。 そんなことより(って本人にしてはたまったものではないが) 恐いのはやはり前半の「おれに関する噂」状態だと、松本の会社員の手記を 読んだときのように思った

「ロック大教典」
渋谷陽一のライナーノーツをまとめたもの。語り下ろしの 渋松対談つき。 もっとも適役だと自他ともに認めていたツェッペリンの再発CDの ライナーノーツから外されたことを機会にまとめたもの。 「ロッキン・オン」好きな人なら好きそうな本

「ふたり」
カルトもので有名な唐沢俊一をよく唐沢寿明と言い間違えてしまうことはさておき、 さすがベストセラーになっただけある内容。 荒れた青年時代から、好青年を演ずるために鏡の前で笑顔の練習をした話、 そして山口智子との結婚までの話、感動する。 村上春樹「ダンスダンスダンス」で、経費で買ったマセラティに乗り、 好青年役しかやらせてもらえない彼を思い出してしまった。だから うっかり人を殺さないでいただきたい

「マイブームの狼」
あこがれのツッコミ如来が表紙。今回は仏像と怪獣と 谷ナオミ(昔のロマンポルノの縛られる方だった人)。以前書いたが、 有名になってからの話ではなく、小学生のころから 仏像ファンで、学生時代にゴジラの着ぐるみを盗む、生来のマイブーム魂本。

「東大オタク学講座」
東京大学オタク文化論ゼミの講義をまとめたもの。 面白い。こうなんつうか異文化との出会いみたいだ。 アニメオタクがアニメを好きなのがわかるが、まさか オタクが高ずると、ロケット発射描画を見てその作画監督まで わかるとは。しかし、たとえば ロックギター少年だった人間はSMOKE ON THE WATERのリフで 一回1弦6フレットの音を出す(王様もやってた)が、そこでニヤリと するのと根は一緒だと思う。思うんだが、っていつもここで わからなくなるのだが、この辺いまだよくわからん。 というわけで最初のあたりはふつうのオタク話だが、 後半の村崎百郎と唐沢俊一あたりの濃い話が強烈。

「飛ぶ教室」
タイトルは昔から聞いたことがあったがこういうのを読んでこなかった 人間なのだ。今回は吉野朔美の 「お父さんは時代小説が大好き」に載っていたのがきっかけで買う。 ドイツの高等学校の寄宿舎の少年たちのクリスマスまでのお語。 クリスマスに読むつもりが年を越してしまった。 なんだか小学校の図書室の鬱陶しさを思い出して(中学二年生まで本を 読む習慣なぞなかったのだ)、ケッとか思いながら 読んでたのに、そのうちなんだかしんみりしてきて(ああはずかしい)、 素直に呼んでしまった。傑作と呼ばれるゆえんか。 こういう良質な本を小学生のころ読んでいれば、今のような荒んだ人間には ならなかったかもしれない。
とか考えて嫌がる子供に 無理矢理本を読ませて、感想文なんてものまで 書かせたりしてはいけないと思います。これで帰りの会を終わります。

「夏のエンジン」
矢作俊彦の自動車をキーにした短編集。かっこいい表紙だと思ったら、 装画: ダディ・グースとのクレジットあり。矢作俊彦本人である。参りました。 事故死した恋人の事故車を引き取る女性と友人の話、銀行強盗に入って逃走車に ベンツを要求する男の話など、かっくいい短編集。

「鳥頭紀行ジャングル編」
これは「UNO!」創刊時の目当てだった (どこへ行っても三歩で忘れる)鳥頭紀行と、 「oz magazine」に連載していたものをまとめたもの。 週刊文春と週刊朝日の元編集長二人の推薦文付き帯から してマニアックな笑いを誘う。 西原理恵子がアマゾンに行って釣りをする話。連載時、 「この程度のおきれいで、わたしのドス黒い心が洗い流せると 思っておるのかー」のせりふに大変な感動を覚えた。 後に伴侶となる鴨ちゃんという名のヘロイン中毒ビデオカメラマンとは ここで出会う。アマゾン川を奥深く進みながら次第に順応していくのが面白い。 文章部分の写真は実は意外にまとも。

「本の雑誌血風録」
名著「哀愁の街に霧が降るのだ」、ドラマにもなった「新橋烏森口青春篇」、朝日新聞に連載していた「銀座のカラス」の続編ともいえる椎名誠の自伝っぽい本。ストアーズレポートという業界紙記者時代から本の雑誌創刊、本の雑誌社設立ぐらいまでの話。「本の雑誌」でいうと16号ぐらいまで。出演者が実名。本が読めないからと会社をやめた目黒孝二が、覚悟を決めて事務所を借り、社長になるあたり、感動する。面白い。

「ゆうきまさみのはてしない物語」
日記漫画みたいのが面白そうなので買った。わはははと読んだ覚えがあるのだが、一ヶ月半たっても何にも内容覚えていないのだ。まあエッセイ漫画みたいなはそういうものなのだが悲しい話だ。と思いつつもこれを書くためにチラリと読んだらまた読み直し始めてしまったので一粒で二度おいしいとも言えよう。

「新・電子立国別巻・ソフトウェアビジネス」
NHKのテレビシリーズ「新・電子立国」の各回についてプロデューサの相田洋と赤木昭夫が対談した本。で赤木という人は誰かというとNHKの解説委員から大学教授になった人だそうだ。相田氏のプレインとなっていろいろアドバイスを与えたらしい。メディア評論家と名乗っているという時点で怪しげだ。内容はとりたてて新しいことはないんだが、メディア面ではない赤木氏の知識が面白い。たとえば、日本海軍では信頼できる部下の評価は「一・点、二・表、三・敬礼」で行ったという話。ソフトウェアとビジネスの話で、日本の特異性をこれで表現している。私は点数が悪くて敬礼ができないのでいまいち信頼を得られないのだが、だからといってケッと言っていてはいけないと思って日々精進している。

「鍋釜天幕団フラインパン戦記」
東日本なんでもケトばす会のキャンプの写真。 それに沢野ひとしと椎名誠の対談みたいのがついてる。 中学生のときに初めて「わしらは怪しい探検隊」を読んだときは 大人の人たちのキャンプ遊びに大笑いしたものだが、 当時の椎名氏が今の自分より若いことに気づき感銘を受けた。 この本自体は椎名誠周辺のファンのみなさん向けでつまらない。


No.
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